事故による腰椎捻挫に牽引療法の効果はある?
2026年08月25日

皆様、こんにちは。
大阪府門真市で交通事故専門の施術を行っている、まつもと鍼灸整骨院の院長の松本です。
当院では、交通事故に遭われた方への施術だけでなく、事故後の症状や治療について知っておいていただきたい情報も定期的にお伝えしています。
交通事故で腰を痛めて整形外科を受診すると、「腰椎牽引」という治療を受けることがあります。
では、交通事故による「腰椎捻挫」に対して、腰椎牽引は本当に効果が期待できるのでしょうか?
今回は、腰椎捻挫と牽引療法についてお話ししたいと思います。
交通事故後に腰椎捻挫で来院された患者様
以前、当院に交通事故後の腰痛で来院された患者様がおられました。
停車中に後方から追突され、その後腰の痛みが続いたため整形外科を受診し、「腰椎捻挫」と診断されたそうです。
その後約1か月間、整形外科で治療を続けていましたが、なかなか腰の状態が良くならないということで当院へ来院されました。
それまでどのような治療を受けていたのかお尋ねすると、
「腰を機械で引っ張る治療を受けていました」
とのことでした。
いわゆる「腰椎牽引」です。
腰椎牽引とは?
腰椎牽引とは、専用の機械を使って骨盤周辺を固定し、腰を一定の力で引っ張る治療方法です。
腰椎に牽引力を加えることで腰椎周辺の組織への負担を減らしたり、神経への圧迫を軽減したりすることなどを目的として、以前から整形外科のリハビリなどで行われてきました。
私自身、整骨院を開業する前は300床を超える病院の理学療法室で勤務していました。
30年以上前になりますが、その当時も交通事故による腰椎捻挫の患者様に対して、整形外科の医師から腰椎牽引の指示が出ることは珍しくありませんでした。
しかし当時から私は、「腰椎捻挫の患者様に対して、腰を引っ張ることが本当に症状改善につながるのだろうか?」という疑問を感じていました。
そして実際に牽引後の患者様に「牽引って効果あるように感じますか?」という質問を多くの方に問いかけた時に、全員が「感じない」か「分からない」の回答だったことを覚えています。
腰椎捻挫と神経症状は同じではありません
ここで重要なのが、「腰椎捻挫」と「神経が圧迫されて起こる症状」を分けて考えることです。
交通事故による腰椎捻挫では、衝突した際の大きな衝撃によって、腰の筋肉や靱帯、関節周囲などに負担が加わり、痛みや動かしにくさが生じていることがあります。
一方、腰椎椎間板ヘルニアなどでは、腰だけではなく、お尻から脚にかけて痛みやしびれが生じるなど、神経に関連した症状が現れることがあります。
つまり、同じ「腰が痛い」という症状であっても、原因や障害されている組織が同じとは限らないのです。
そのため、「腰が痛いからとりあえず牽引する」という考え方ではなく、その患者様の腰のどこに問題が生じている可能性があるのかを確認したうえで治療方法を考えることが大切だと当院では考えています。
現在では腰痛に対する牽引の有効性には疑問が持たれています
腰椎牽引は長年行われてきた治療方法ですが、現在では腰痛に対して一律に行うことを支持する医学的根拠は十分とはいえません。
海外の腰痛診療ガイドラインでは、腰痛や坐骨神経痛に対して牽引療法を行わないよう推奨しているものもあります。また、これまでの研究をまとめたレビューでも、牽引によって腰痛や身体機能が大きく改善するという明確な効果は確認されていません。
もちろん、牽引を受けて「気持ちが良かった」「少し楽になった」と感じる方まで否定するものではありません。
しかし、交通事故による腰椎捻挫に対して、毎回同じように機械で腰を引っ張り続けているにもかかわらず症状がほとんど変化していないのであれば、一度治療内容を見直してみることも必要だと考えます。
大切なのは「なぜ痛いのか」を評価すること
交通事故後の腰痛では、一人ひとり事故の状況も身体に加わった衝撃も異なります。
前方からぶつかったのか、後方から追突されたのか、身体がどの方向へ動かされたのかによっても負担のかかる場所は変わります。
そのため当院では、単に「腰が痛い」という症状だけを見るのではなく、
・どのような事故だったのか
・どの動作で痛みが出るのか
・腰や骨盤周辺の関節の動き
・筋肉の緊張状態
・お尻や脚への痛み、しびれの有無
・神経症状を確認するためのSLRや腱反射などの検査
などを確認し、その方の状態に合わせて施術を行うことを大切にしています。
先ほどご紹介した患者様も、当院へ転院された後、身体の状態を確認しながら施術を続けることで、徐々に腰の症状が改善していきました。
交通事故後の腰痛がなかなか改善しない方へ
交通事故による腰椎捻挫は、レントゲンでは骨に異常が見つからなくても痛みが続くことがあります。
「骨には異常がありません」と言われたからといって、痛みそのものが存在しないわけではなく、骨以外の筋肉や靭帯、神経など軟部組織を痛めている可能性があるからです。
また、治療を続けていても変化がみられない場合には、同じ治療を漫然と続けるのではなく、現在の身体の状態を改めて評価し、治療方法が合っているかを考えることも大切です。
なお、交通事故後は骨折など重大な損傷が隠れている可能性もありますので、まずは整形外科などの医療機関で適切な検査や診察を受けることが重要です。
そのうえで、
「事故から何週間も経っているのに腰痛が改善しない」
「牽引や電気治療を続けているが変化を感じない」
「腰を動かすと特定の場所が痛む」
「事故前にはなかった腰痛が続いている」
といったことでお困りの場合は、一度治療内容について見直してみてもよいかもしれません。
大阪府門真市の、まつもと鍼灸整骨院では交通事故による腰椎捻挫やむちうちなどの症状について、一人ひとりの事故状況や身体の状態を確認したうえで施術を行っています。
交通事故後の腰痛がなかなか改善せずお困りの方は、お気軽にご相談ください。












