親切が事故に繋がる「サンキュー事故」とは
2026年10月28日

皆様、こんにちは。
大阪府門真市で交通事故によるケガの専門施術を行っている、まつもと鍼灸整骨院の院長の松本です。
当院では、交通事故によるケガでお困りの方への施術だけでなく、事故を未然に防ぐための交通安全情報や、万が一事故に遭った際に知っておきたい自動車保険・損害賠償などの情報についても定期的にお伝えしています。
さて、皆様は「サンキュー事故」という言葉をご存じでしょうか?
車を運転していると、交差点などで対向車が道を譲ってくれることがありますよね。
そんな時、相手の親切に対して「ありがとう!」という気持ちで急いで右折した経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実はこのような何気ない場面に、大きな交通事故につながる危険が潜んでいるのです。
今回は、ドライバーなら誰もが遭遇する可能性のある「サンキュー事故」について、事故が起こる原因や過失割合、事故を防ぐための対策などを詳しく解説していきます。
サンキュー事故とはどのような交通事故?
サンキュー事故とは、「他の車が道を譲ってくれた際に、その親切な行為をきっかけとして発生する交通事故」のことです。
代表的なのは、交差点で右折しようとしている車と、対向車線を直進してきたバイクとの衝突事故です。
例えば、次のような状況を想像してみてください。
あなたが車を運転していて、交差点で右折しようとしています。
しかし、対向車線は渋滞しており、なかなか右折することができません。
すると、対向車線の車が停止して、パッシングや手振りなどで「先に曲がっていいですよ」と道を譲ってくれました。
あなたは「ありがとう!せっかく譲ってくれたのだから早く曲がらないと!」と思い、急いで右折を始めます。
ところが、その瞬間、停止している対向車の左側から直進してきたバイクと衝突してしまいました。
これが典型的なサンキュー事故です。
道を譲ってくれた車の運転手にも、譲ってもらった運転手にも悪意はありません。
むしろ、お互いの思いやりや親切心がきっかけとなっているところが、この事故の特徴です。
しかし、どれだけ善意から生まれた行動であっても、安全確認が不十分であれば重大な交通事故につながってしまうのです。
サンキュー事故が発生する3つの原因
それでは、なぜサンキュー事故が発生するのでしょうか?
主な原因として、次の3つが考えられます。
① 停止車両によってバイクや自転車が死角に入る
サンキュー事故が発生する大きな原因の一つが「死角」です。
例えば、交差点で対向車が停止して道を譲ってくれた場合、その車の陰にいるバイクや自転車は、右折しようとしている運転手から見えにくくなります。
特に、停止している車がトラックやワンボックスカーなどの大きな車両であれば、死角はさらに広くなります。
一方、バイクの運転手からも、停止車両の陰にいる右折車が見えにくくなっている場合があります。
つまり、「右折車と直進バイクの双方がお互いの存在に気づかないまま交差点に進入してしまう」ことがあるのです。
このような状況では、相手を発見した時にはすでに距離が近く、ブレーキをかけても衝突を回避できない可能性があります。
「車が止まっているから安全」と判断せずに、その車の陰に危険が隠れているかもしれないと考えることが重要です。
② 道を譲ってもらったことで焦ってしまう
2つ目の原因は、運転手の心理的な問題です。
対向車がわざわざ停止して道を譲ってくれると、多くの方は次のように考えるのではないでしょうか。
「せっかく止まってくれたのだから早く曲がらないと!」
「いつまでも待たせるのは申し訳ない」
「後続車にも迷惑がかかるかもしれない」
このような心理が働くと、普段であれば慎重に行う安全確認がおろそかになってしまうことがあります。
本来なら、対向車の陰にバイクや自転車がいないか十分に確認する必要があります。
しかし、相手を待たせたくないという気持ちが強くなることで、安全確認よりも右折することを優先してしまうのです。
交通事故を防ぐためには、どのような場面でも冷静な判断が欠かせません。
なので、相手の親切に応えようとして焦る必要はありません。
たとえ道を譲ってもらったとしても、安全が確認できなければ無理に右折しないことが大切です。
③ バイクとの距離や速度を判断しにくい
3つ目の原因は、バイク特有の見え方にあります。
バイクは自動車と比較して車体が小さいため、遠くにいるように見えたり、実際よりも速度が遅いと感じたりすることがあります。
その結果、「まだ距離があるから右折できるだろう」と判断したものの、予想以上に早くバイクが接近してきて衝突してしまうことがあるのです。
特に、停止車両の陰から突然バイクが現れた場合、距離や速度を正確に判断する時間がほとんどありません。
大阪府警察でも、右折時には対向してくる二輪車の距離や速度を見誤らないよう注意を呼びかけています。
バイクは見た目以上に近くまで接近している可能性があることを意識しておきましょう。
サンキュー事故の過失割合はどうなる?
ここで気になるのが、サンキュー事故が発生した場合の過失割合です。
「道を譲ってもらったのだから、右折した車の責任は軽くなるのでは?」
このように考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、道を譲ってもらったという事実だけで、右折車の過失が軽くなるわけではありません。
道路交通法では、交差点で右折する車は、直進車や左折車の進行を妨げないようにする必要があります。
これは、たとえ対向車が道を譲ってくれた場合でも変わりません。
例えば、信号機のある交差点で、双方が青信号の状態で進入し、右折する自動車と直進するバイクが衝突した場合、基本的な過失割合は次のようになります。
右折車85%: 直進バイク15%
つまり、右折する自動車側に大きな過失があると判断されるのが基本です。
ただし、これはあくまでも基本的な割合です。
実際の過失割合は、信号の状況、バイクの速度、双方の運転行動、事故現場の道路状況などによって変わることがあります。
また、右折車と直進車の組み合わせによっても基本的な過失割合は異なります。
そのため、すべてのサンキュー事故が「85対15」になるわけではありません。
事故が発生した場合は、個別の状況を踏まえて慎重に判断する必要があります。
道を譲ってくれた車にも事故の責任はある?
それでは、道を譲った車の運転手には責任がないのでしょうか?
例えば、対向車がパッシングをして道を譲り、その合図を受けた右折車がバイクと衝突した場合です。
この場合、単に道を譲ったというだけでは、通常、事故の責任を負うことにはなりません。
道を譲る行為そのものが、事故の原因として直ちに法的責任を生じさせるわけではないからです。
ただし、道を譲った車の具体的な行動によっては、責任が問題となる可能性もあります。
例えば、周囲の安全を確認せずに「進んでも大丈夫」という趣旨の誘導を行い、それが事故の発生に関係した場合などです。
いずれにしても、道を譲ってもらった運転手は、相手の合図だけを信用して進んではいけません。
パッシングや手振りは、安全を保証するものではないのです。
最終的には、自分自身の目で周囲の状況を確認し、安全に進行できるか判断しなければなりません。
サンキュー事故を防ぐための5つの対策
では、サンキュー事故を防ぐためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
日頃から意識していただきたい5つのポイントをご紹介します。
① 道を譲ってもらっても慌てない
最も大切なのは、道を譲ってもらっても焦らないことです。
相手を待たせることが申し訳なく感じるかもしれませんが、事故を起こしてしまっては意味がありません。
まずは落ち着いて周囲の安全を確認しましょう。
② 停止車両の陰にバイクがいることを想定する
停止車両によって見えない部分には、バイクや自転車が隠れている可能性があります。
「何も見えないから大丈夫」ではなく、「見えないところに何かいるかもしれない」と考えることが重要です。
このような危険予測を習慣づけることで、事故のリスクを減らすことにつながります。
③ 安全を確認しながら徐行する
右折する際は、前方の安全を確認するとともに、見通しが悪い場所では十分に速度を落とすことが大切です。
停止車両の陰からバイクや自転車が現れる可能性を考え、必要に応じて停止できるよう慎重に進行しましょう。
安全が確認できない場合は、無理に進まないことが重要です。
④ 右折先の歩行者や自転車にも注意する
サンキュー事故では、直進バイクばかりに注意が向きがちですが、右折先にも危険が潜んでいます。
例えば、右折した先の横断歩道を歩行者が渡っている場合や、自転車が進入してくる場合です。
対向車線の安全確認に気を取られていると、右折先の歩行者を見落としてしまうこともあります。
右折する際は、対向車線だけでなく、進行先の横断歩道や周囲の安全も確認しましょう。
⑤ バイクや自転車の運転手も注意する
サンキュー事故を防ぐためには、右折車だけでなく、直進するバイクや自転車の運転手も注意が必要です。
渋滞などで停止している車の側方を通過する場合、その車が別の車に道を譲っている可能性があります。
停止車両の陰から右折車が現れるかもしれないことを想定し、十分に減速して安全を確認しましょう。
お互いが危険を予測することで、事故を防げる可能性が高まります。
サンキュー事故では首や腰などを痛めることも
サンキュー事故は、車とバイクが交差点で衝突する事故が代表的ですが、衝突時の状況によっては、さまざまなケガが発生する可能性があります。
自動車に乗っていた方の場合、衝突時の衝撃によって首や腰などを痛めることがあります。
特に、交通事故による代表的なケガの一つが「むちうち」です。
むちうちは、事故の衝撃によって首が急激に動かされ、筋肉や靱帯などの組織を傷めることで発生する場合があります。
また、首の痛みだけでなく、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどの症状が現れることもあります。
交通事故によるケガで注意していただきたいのは、事故直後には痛みがほとんどなくても、時間が経過してから症状が現れることがあるという点です。
事故直後は興奮や緊張によって痛みを自覚しにくい場合もあります。
そのため、「たいした事故ではなかったから大丈夫」と自己判断することはおすすめできません。
交通事故に遭った際は、目立った外傷がなくても、できるだけ早く医療機関を受診し、必要な検査や診察を受けるようにしましょう。
交通事故によるケガは早めの対応が大切です
交通事故によって首や腰などを痛めた場合、適切な時期に診察や施術を受けることが大切です。
特に、むちうちなどの症状は、事故直後よりも数日後に痛みが強くなる場合があります。
また、痛みを我慢して普段どおりの生活を続けることで、症状が悪化してしまう可能性もあります。
事故後に首の痛みや頭痛、めまい、手足のしびれなどが現れた場合は、まず整形外科で状態を確認してもらいましょう。
大阪府門真市の、まつもと鍼灸整骨院では、交通事故によるむちうちや腰部の痛みなどでお困りの方からのご相談を受け付けております。
必要に応じて整形外科での診察を受けていただきながら、お身体の状態に応じた施術を行っています。
また、交通事故後の保険に関する疑問や、治療・施術の進め方についてのご相談にも対応しておりますので、お困りの方はお気軽にご連絡いただければと思います。












